Moodleで成績表配布, テスト答案添削返却, レポート添削返却

紙の成績表を配布するためだけに, 春休み中に学生に登校させることもあるようだ. MoodleでWeb上でできないか.

もし成績データをcsvexcel形式で持っているなら, 成績表示専用のコースをひとつ作って, 評価のカテゴリやアイテムを適当に作って, データをインポートすればいい. オフライン活動を使ってもいい.

一方, そのようなデータは入手できないが, 成績表が文書やスキャンしたイメージのファイルになっている場合はどうするか. 手書きで添削した答案・レポートをスキャンして返却したい場合も同じ状況だ.

それには, "ファイルの高度なアップロード課題"を使えばいい. この課題の評定では, 教員が複数のレスポンスファイルをアップロードすることができる. 本来意図された使い方は, 学生が提出したファイルに加筆してアップロードする, 学生の提出したファイルへのコメントを文書ファイルにしてアップロードする, というものだろう. しかし, このレスポンスファイルは, 学生がまだ何も提出していない状態でもアップロードすることができる. したがって, 学生別のファイルを配布・返却するのに使うことができる.

または, 適切に設定されたWikiでも, 特定の学生だけに見られるようにファイルを置くことができる.

2つの方法とも, たとえファイルに学籍番号に対応したファイル名がつけられていたとしても, 1人分ずつWebページでアップロードしていかなければならない. まとめてアップロードして登録できるモジュールがないと, あまり多くの学生をこれらの方法で扱うことは現実的でないだろう.

もちろん, moodleを使わずに, メールの本文や添付で送るという方法がある. しかし, これで済まない場合もある. セキュリティ的な懸念はあるし, moodleのusernameはわかってもメールアドレスが教えてもらえない場合もある. メールよりWebのほうをよく見る受講者集団もいる. また, moodle上に, 毎学期の成績表や, 添削前後のレポートを整理しておきたい場合もある. さらに, メールで送ると, なくしたので/読めないのでこのアドレスに再送してください, と言われる危険がある.

Moodleの話にもどって, 以上は, 返却するファイルが学生本人だけに見えるように, という前提で書いてきた. しかし, レポート添削などの場合には, 他の学生にも見せたいことがありうる. そういう場合は, WorkshopやForumや(適切に設定された)Wikiを使ったほうがいい. "ファイルの高度なアップロード課題"でも, 「ローカルに割り当てられたロール」ですべての学生を「編集権限のない教員」にすることで, 他の人にも見られるようにすることは一応できる.