Wanderlust は POP, IMAPにも対応した, emacs lisp で書かれemacs上で動作するメーラ. 直接の継承関係はないが, MH, mh-e, Mewなどの影響を受けているのではないかと思う.
Wanderlust でメールアドレスのグループ(複数のアドレスからなるalias)を使うのにはどうしたらいいかを考えた(もっと簡単な方法がある?)
Wanderlust の alias
Wanderlust の特徴のひとつとして, 独自のアドレス帳を持ち, アドレスマネージャで編集できるということがある. アドレス帳はデフォルトでは ~/.addresses に独自の単純なフォーマットのテキストファイルとして保存される(ので手でも編集できる). ~/.addresses 形式は, 複数のアドレスをまとめたaliasを定義することに対応していない(と思う).
MH, mh-e の aliases の使用
MH, mh-e では alias はデフォルトでは ~/Mail/aliases にテキストファイルとして保存される. -ali オプションで任意のファイルを指定できる. フォーマットは ~/.addresses と異なり, 複数のアドレスをまとめたaliasを定義することに対応している.
この ~/Mail/aliases を Wanderlust から使用するには, ~/.wl などで
(setq wl-alias-file "/home/hig3/Mail/aliases")
などとすればいい. これを使うと複数のアドレスをまとめたaliasを利用することができる.
Mewの AddrBook の使用
初期のMewでは上記のaliasesフォーマットを使用していた. 現在のMewでは aliases とPetnamesが統合されたものが, デフォルトでは ~/.im/AddrBook にテキストファイルとして保存される. フォーマットは上記のいずれとも異なる.
この ~/.im/AddrBook を Wanderlust から使用するには, ~/.wl などで
(require 'wl-addrbook)
(wl-addrbook-setup)
(setq wl-alias-file "/home/hig3/.im/Addrbook")
すればいい.
WL addrbook
Mew-1.94 以降に導入された Addrbook を使用するパッケージ。 Addrbook の書式は [Mew-dist 08237] を参照。
Wanderlustの9/22以降のMain trunkのutilsに含まれました。
* wl-addrbook.tar.gz (2001.9.22)
この情報を発見するのに苦労したのがこの記事を書く動機(Infoや公式ドキュメンテーションには書いてない. 検索が下手だっただけだが).
ただし, hig3 の環境(Fink Emacs22 on X for MacOS 10.5)では, こうすると最初は正常に動作するように見えるが, inbox を再スキャンした後などは, アドレス補完だけでなく Wanderlust のフォルダ操作メッセージ操作でエラーが出るようになってしまって正常に使えていない.
LDAPの利用
WanderlustではLDAPからアドレスを取得することもできる.