Mathematica からExportした eps を MacPorts の LaTeX の graphicx で includegraphics したものが dvipdfmx で扱えない

Mathematica 10 で Export["figure.eps".%] で保存した encapsulated postscript file を, graphicx でLaTeX に include することを考える.

OS X 10.10 の MacPorts の TeXlive 2015の場合

dvipdfmx で PDFにする段階で, 以下のようなエラーになる

[1Error: /typecheck in /findfont
Operand stack:
   9   MathematicaSans
Execution stack:
   %interp_exit   .runexec2   --nostringval--   --nostringval--   --nostringval--   2   %stopped_push   --nostringval--   --nostringval--   --nostringval--   false   1   %stopped_push   1967   1   3   %oparray_pop   1966   1   3   %oparray_pop   --nostringval--   1950   1   3   %oparray_pop   1836   1   3   %oparray_pop   --nostringval--   %errorexec_pop   .runexec2   --nostringval--   --nostringval--   --nostringval--   2   %stopped_push   --nostringval--   --nostringval--   1919   2   3   %oparray_pop
Dictionary stack:
   --dict:1195/1684(ro)(G)--   --dict:0/20(G)--   --dict:107/200(L)--
Current allocation mode is local
Last OS error: Invalid argument
Current file position is 34971
GPL Ghostscript 9.16: Unrecoverable error, exit code 1

dvipdfmx:warning: Filtering file via command -->gs -q -dNOPAUSE -dBATCH -dEPSCrop -sPAPERSIZE=a0 -sDEVICE=pdfwrite -dCompatibilityLevel=1.5 -dAutoFilterGrayImages=false -dGrayImageFilter=/FlateEncode -dAutoFilterColorImages=false -dColorImageFilter=/FlateEncode -sOutputFile='/var/folders/kw/189pr66j0sn52cgxkzzb9ldh000104/T//dvipdfm-x.f0098c1350bfdd53bc5e70ea9b9bfa29' '/Users/hig/path/fr.eps' -c quit<-- failed.
dvipdfmx:warning: Image format conversion for "/Users/hig/path/fr.eps" failed...
dvipdfmx:fatal: pdf_ref_obj(): passed invalid object.

Output file removed.

バージョンはこう.

hig@mac$ dvipdfmx --version
This is dvipdfmx Version 20150315 by the DVIPDFMx project team,
modified for TeX Live,
an extended version of dvipdfm-0.13.2c developed by Mark A. Wicks.
Copyright (C) 2002-2015 the DVIPDFMx project team
Copyright (C) 2006 SIL International.

hig@mac$ gs --version
9.16

MathematicaSans のところでエラーになっているので, フォントが足りない, フォント埋め込みするかしないか, のような問題かと一瞬思うわけだが, (Mathematicaをインストールしていない)Debian 7ではエラーにならないので, フォントライブラリだけの問題ではないようだ. Mathematica側のExport設定も調整してみたが, 解決できなかった.

Debian 7 の場合

同じことを Debian 7 のTeXlive 2012.2012061 で実行するとエラーにはならない. バージョンはこう.

hig@debian$ dvipdfmx --version
This is dvipdfmx-20120420 by the DVIPDFMx project team,
modified for TeX Live,
an extended version of dvipdfm-0.13.2c developed by Mark A. Wicks.
Copyright (C) 2002-2012 by the DVIPDFMx project team

hig@debian$ gs --version
9.05

Mac における回避策

  • graphicx はeps以外にpdf,jpg,png も扱えるわけだが, pdf,jpg,pngでは問題は起きない. ベクターグラフィックスでということなら, epsでなくpdfで. Mathematica から Export["figure.pdf",%]する. ただし,
    • DVIの段階では preview できない. pdfにしてから preview する必要
    • pdfに対してextractbb で .bb ファイルを作る必要

Moodle のアンケート結果を学生が見られない: Moodle Questionnaire module での「回答の閲覧(学生)」設定と mod/questionnaire:readallresponses ケイパビリティは AND

オープンソース LMS Moodle の アンケート (Questionnaire module) は学生がアンケートや希望調査に答える活動を追加するプラグイン. Feedback module と重なる機能もあるが, 細かい点では異なる.

Questionnaire module version 2.8.2 (Build - 2015031901)には

  • 回答の閲覧(学生) Students can view ALL responses

という設定があり

  • 自分の回答終了後に可 After answering questionnaire
  • 回答期間終了後に可 After the questionnaire is closed
  • 随時可能 Always

を選択可能. これらを選択したら言葉通りのことが起こると期待するわけだが, そうではないので. Moodle.org の Forum でも多く議論されている. 学生に, mod/questionnaire:readallresponses ケイパビリティのパーミッションを与えないかぎりは, 学生による回答の閲覧は全く不可能で上記の選択は無意味. 作者もこの複雑性は認識していて以下のページで詳しく説明している.

Questionnaire module version 2.5 より前は, パーミッションの設定はいらなくて, Questionnaire module の設定だけで学生が回答を閲覧できた. 手近にある Moodleインスタンス(Questionnaire 2.5 より前, Moodle 2.4 より前からアップグレードしてきたもの)では, いずれもパーミッションが設定されていなくて, 意図せず, 学生が回答を閲覧できない状態になっていた(しかし学生ロールで検証しないとわからないので最近まで気づいていなかった).

Version 2.5 になったときのアップグレード過程は, パーミッションが自動的に設定されたり, パーミッションを設定するように大声で指示がでたり, するものではなかったのかも.

Microsoft Office for Mac を2011から2016に上げて報われた点報われなかった点

Office365経由で Office 2016 for Mac が入手可能になった.

報われた点

報われなかった点

Office 2016 for Macマスターブック (Mac Fan Books)

Office 2016 for Macマスターブック (Mac Fan Books)

*1:Office 2016 (for Windows)はどうなってるのか…

*2:と言ってもセル入力読み上げはないということだが

gnuplot の xgrid つき plot の png が pLaTeX の graphicx で表示できない問題の回避

xgrid を指定して plot した gnuplotpng 形式のファイルを, graphicx で include して pLaTeX でtypeset したものを dvipdfmx で PDFにしている. 以前は問題なかったが, 現在は, PDF上でpngの部分が真っ白になることに気づいた. エラーや警告はなく, png を Preview.app で開くと正しく表示できる. 一方, PDFをAdobe Readerで開くと, エラーを含むPDFである旨の表示がでる(が, 関係あるとは断言できない).

  • gnuplot 5.0 patchlevel 0 in MacPorts
  • e-pTeX 3.14159265-p3.5-130605-2.6 (utf8.euc) (TeX Live 2014/MacPorts 2014_8)
  • graphicx 2014/04/25 v1.0g
  • This is dvipdfmx Version 20140317 by the DVIPDFMx project team, modified for TeX Live, an extended version of dvipdfm-0.13.2c developed by Mark A. Wicks.

回避策として,

arrow from x0,0 to x0,xmax nohead

複数の縦線を書くことにした.

set parametric
plot x0,t t "vertical line"

もありえたが, ふつうのnonparametric plotと重ねるには multiplot が必要になるので採用しなかった.

Mahara のファイルアップロードで「ファイルが大き過ぎます」と言われる問題の解決

Mahara http://www.mahara.orgオープンソースの ePortfolio. 従来からあるインスタンスを, 新年度に新しいユーザ集団で運用開始しようとしていたが, 2015-04-15に予定されていた 15.04.0 へのバージョンアップがぎりぎり間に合った. Mahara のアップデートに失敗したことはないが, それでも運用中にバージョンアップをする勇気はないので間に合ってよかった.

ところで, ここしばらくのバージョンでは, ファイルをアップロードしようとすると,

(ファイル名) のアップロードに失敗しました。: ファイルが大き過ぎます。詳細はあなたの管理者にお尋ねください。

と言われる. uploadedfiletoobig エラーだが, PHPやMaharaのファイルサイズ上限は十分大きくしているので, 言葉通りの意味でないのは確か. しかし, Webにはこのエラーメッセージの情報はほとんどないので, このインスタンスの, あるいはローカルなブラウザ設定の問題なのかもしれない.

解決策は https://mahara.org/interaction/forum/topic.php?id=6118 で知った.

htdocs/artefact/file/theme/raw/form/filebrowser.tpl にある

 <input type="hidden" name="MAX_FILE_SIZE" value="{$phpmaxfilesize}" />

がブラウザに正しく解釈されないためで, これをコメントアウト

<!-- <input type="hidden" name="MAX_FILE_SIZE" value="{$phpmaxfilesize}" /> -->

すればいい.

追記

Mahara 15.04 では, このファイルの位置が変化した.

Line 45, htdocs/theme/raw/artefact/file/templates/form/filebrowser.tpl

追記

Mahara 15.10 でも, このファイルの位置が変化した.

Line 65, htdocs/theme/raw/plugintype/artefact/file/templates/form/filebrowser.tpl

inbox by Google

Outlook for iOS のリリースに対抗した招待期間に, inbox by Google https://inbox.google.comに招待してもらった. メールを読む, タスク管理する, に関してはよく工夫されている. 読むときはかなり inbox を使っているが, 書くときはほぼ Gmail を使う.

現時点での不満

  • iOSの検索窓で日本語ローマ字かな変換が正常に行えない. incremental search にしようとしてるからこうなっちゃうんでしょうね.
  • Web版で, メール作成が必ず HTML メールになってしまい, plain text では送れない.
  • Web版の本体だけでは, Signature を登録しておく機能がない. Google Inbox Singnature Extension という beta の Chrome Extension がある
  • Archive ボタンはいろいろなところにあるが, 削除(ゴミ箱)操作はあまり便利なところにない

Moodle2.7 Gradebook でいう非表示項目には点数のないカテゴリの平均値も含まれる

MoodleオープンソースのLMS. 2.7は最新よりひとつ前(2014年5月)のMajor Release.

予想外に, コースの評点が特定の学生に対して非表示, hyphen, - になってしまう事象の例.

評定(Gradebook)の教員による設定において, 非表示項目(Hidden Items)を含む総計を

  • 非表示
  • 合計に含めて表示
  • 合計から除いて表示

するというオプションがある. 非表示項目とは, 例えば非表示の(教員がコースページで「眼に×」の状態にした)活動や, Gradebookで「眼にx」にした項目のこと. 評定中や評定点検中のことを考えると, こういうオプションがあるのは納得できる(課題モジュールのワークフローはこの点が徹底している). 非表示だと学生には評点がhyphenになって表示される.

ところで, いくつかの活動が1個の評定カテゴリに入っており, カテゴリの評点の計算方法が平均値である場合のことを考えよう. この状況下で, なかなか気づかなかったのだが, カテゴリ中のどの活動にも評点がない場合(学生が受験しなかったり教員が評定をしなかった場合), カテゴリの評点は0/n=0となるかと思ったら, hyphen となって, カテゴリは第1段落で言う非表示項目と見なされる. 0/0=- なのか -/n=- なのかは知らないが.

なお, 評定の教員による設定において

  • 評点のある活動だけで平均値を計算する
  • 評点のない活動はzero(または最低点)として平均値を計算する

を選択できるが, 後者を選んだ場合でも, 第2段落の振る舞いは変わらない.

結果として, 「非表示項目を含む合計は非表示」のとき, 教員がすべての採点を行い, ぜんぶの「眼にx」を解除しても, 小テストを1回も受けなかった学生は, 上位カテゴリや科目の評点が非表示になる(hyphenになる)ということが起る. 注意.

Major Release 2.8 ではGradebookが(また)大きく変わっているらしい. 要検証.